2011年09月27日

dear old friend

もう時間がない!バッドタイムローリン!ってことでコレだけ!まずコレだけは見て欲しい!

タイの田舎の地獄寺に鹿田の肖像画が掲げられていたんだ!!アイヤー!


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2011年08月20日

Rehab

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お盆も終わり、世間的には、またこのクソ暑い中働かにゃならんのかとイラだっている最中
こちとら徐々に胸騒ぎのアフタースクールが鳴り響いてきている。

話は昨年。タイの首都バンコクでのこと。

朝日が上がるとともに室温は体温よりも高くなるという独居房のような部屋を
さっさと部屋を抜け出して、朝飯を喰いに出向いたカオサンロード。
大半の店は、シャッターを開け始めたところ。そんな時に、ふと目に入った一件のTシャツ屋。
壁にはボブ・マーリー、失礼、ボブ・マーレー、もといボヴ・マーレィやら
ブルース・リー、ゲバラなんかのTシャツが所狭しと掛けられている
所謂「はいはい、こんな感じの店ね」と言う感じの店。

鼻で笑うようにバナナシェイク(朝飯)を片手に店内を冷やかしていると
みんな大好き、あの「時計仕掛けのオレンジ」のTシャツを発掘!うおおおおお!
興奮を抑えきれず、店員のおっさんに値段を尋ねると
「あー?それは200バーツ」※当時のレートが1バーツ約3円

高ぇ…オレが泊まってる独居房一泊より高ぇ。
それまで隣国カンボジアやラオスで購入したTシャツは100〜200円程度だったので
約600円もするTシャツが地球上に存在するとは思いもよらず、絶句。
でも、まぁ出せない額ではない。清水の舞台からバンジーする気でサイフに手を伸ばすと
突如、隣で物色していた全然知らない白人の兄ちゃんが自分の買い物のように
「クレイジーな値段だな。こんな店出ようぜ」と
呆れ顔で店を後にしたので、つい勢いでオレも店を後にしたのであった。

で帰国後、チンターネットを駆使すると、ここ日本でもほぼ同じものが売っていた。
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案の定、もっと高ぇ。
あん時、白人の兄ちゃんがあんな事言わなかったら、600円で買えたのに…

それ以来、このTシャツの事が頭から離れず。一時は不眠症に陥り
仲間と川沿いを歩いていると、突然リーダー格の仲間に川に蹴落とされると言う
イヤな夢を見て夜中に目が覚めたり、心身ともに蝕まれる事早1年。

こうなったら、あのTシャツを手に入れない限り、安眠することは到底無理。
買いに行くしか無い。タイ・バンコクはカオサンロードのあのTシャツ屋に。

って事で9月頭に遅めの夏休み取って行ってきます。
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2011年02月02日

Beans For Breakfast



チャイニーズじゃなくてタイワニーズだけど。

そうそう、台湾である。台湾。

雨で気温もこっちと変わらないと聞き、やれブーツだのマウンテンパーカだの持ち込んでみたが
結果としては雨もまったく降らず、20℃を少し下回る春先のような気候でこりゃええわい。と
Tシャツにカーディガン羽織って町中をふらふらしていたが、往来している台湾人は
皆一様にダウンまで着込んでいらっさる。確かに日が暮れれば北風がぴぃぴぃ吹いて寒い!
我々もその度に上着を取りにホテルに戻ったりと、しちめんどうな事この上なし!

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そんでメシ!
小籠包バカ喰い!うまー!タピオカ入りミルクティーどん飲み!あまー!
牛肉麺も魯肉飯もあれもこれも台湾ビールで流し込み。そんでもって安い。
OLの旅行並みに食事を楽しんだが、ただ一つだけ「豆乳」はアカンかった。

元々、豆乳なんておぞましいモノは口にしないが、パラパラとガイドブックを読んでいると
「台湾の豆乳は、あの独特の匂いや味もマイルドで飲みやすいアルヨ!」みたいな事が
載っていたので、何でも試してみないと!男は度胸!阿部さんの名言が脳裏を横切り
目の前にあった見た目はかなりワイルドな煤けた豆乳屋を奇襲。

「你好!熱烈歓迎!我豆絞!君払銭的二拾元!」
ニコニコしながら台湾語オンリーなおばちゃんには「我豆乳」と書いたメモを見せて
「おばちゃん!豆乳ちょうだい!ちょっとでいいよ!ちょっとだけよ!」と
日本語オンリーで対抗して、なんとか豆乳を1杯オーダー。
「こーゆー言葉が通じない時に『漢字』で分かりあえるって便利よねー」なんて思っていると
目の前には、丼になみなみと注がれた豆乳の登場。やだ、全然分かり合えてない!

今更、こんなにいらんがな!へんがなまんがな!と文句は言えず、実食!
一口飲むと、まったく日本で飲む豆乳と変わらない。かなり苦手な風味。
ただ出されたものはしょうがないので、もう一度おばちゃんの所に行き、油で揚げた中華パンを
1本購入して、これを豆乳に浸してがぶがぶ食す。我的良提案!


その後、台北市内から電車を40分ほど乗り淡水と言う駅にて下車。
ここから約1時間バスに揺られれば、今回の旅行の最大の目的地である「金剛宮」に着く。
駅のバスターミナルで、難無くそのバスも見つけ乗車して10分後。
あとは車窓から流れる風景に身を任せていれば…なんて幻想はもろくも打ち砕かれた。

ゲロ吐きそう。

あー気持ちわりー、絶対豆乳だよ、豆乳。あとあの中華パンを揚げた油が古いんだよ。

幸いにもバッグの中にビニール袋があり、粗々をしながらバスに乗り続ける手も無い訳ではない。
しかし、こんなローカルのバス車内、公衆の面前でそれはあまりにも国辱ものではないか。
自問自答の末、停車ボタンを激しくPUSH!PUSH!PUSH!

真っ青な顔で淡水駅まで歩いて戻り、駅前に鎮座ましましされていたSUBWAYの便所にて嘔吐。
結局、サンドウィッチ1つ買って台北に戻りました。あー悔しい。リベンジしたいな。

ちなみに行こうとしていたドリームスポットはこんな所です。

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【教訓】海外だからといって、自分が苦手なものは喰うべからず。

これ書いてたら、また気持ち悪くなってきた…オエーッ!
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2010年08月17日

多幸感

残暑!残残!暑!残暑!
ってなワケで残暑見舞いにワイハーの写真でクールダウン・アロハオエ・プリーズ。

BGMはもちろんジャック・ジョンソン!と言いたいところだが、
N瀬さんに貸してもらったジャケが泣くほどダサい
謎のプロサーファーバンドThe Surfersですな。
もしくは憧れのハワイ航路だろうよやっぱ。

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2010年07月03日

はらいそ

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ハワイ最高やな。

産まれる前からお世話になっていたマイブラザーの結婚式をハワイでやると聞いた時は
あまりのバブリーさに耳を疑い、かつ5日間も仕事を休むために5万回土下座したりとで
行く前は「フンッ!ハワイなんて鼻くそやで。日本人だらけで外国じゃないぜ」なんて
思っていたものの全面的に撤回!正直スマンかった!
もう一度、声を大にして言おう。ハワイ最高やな!アロハ!

ちょっと想像してくれ。
青い海!白い砂浜!そしてエレガンスなホテルから見えるロコガールたちとアーバンな夜景!
まさにそれだ!町中ホットパンツだらけだよ!


結婚式自体も海を望むチャイチーな教会で厳かに行われエエ感じでしたわ。
そりゃあ母ちゃんもじーさんばーさんも泣くわ。
珍しく親父の目頭も熱くなっていて、単なるハゲたおっさんでは無かった事を再確認。

オレはと言うと、教会の2階席でパイプオルガンを弾くおっさんに夢中だった。
あんなグッドロケーションな仕事場で、1日10回程パパパパーンとオルガン弾く仕事なんて
羨ましいったらありゃしないよ!キイィー!もしもピアノが弾けたなら!


結婚するまでの家族の顔合わせやら新居への引っ越し作業など諸々の行事にことごとく欠席した
野良猫みたいなポジションなので、ハワイでも一人でふらりとバスに揺られ
ハワイ語で「天国の海」と言う名のラニカイってとこまで行ってきたけどヤバカッタ!
青い海!白い砂浜!そしてホットパンツ!いやビキニで寝そべるロコガールたち!

よくさ、アフリカの方の人たちが井戸に溜めてあるキレイじゃない水飲んでるシーンをTVで見て
「うわーそれ飲んで大丈夫なのかよ?いやダメだろ」とか思ったりするじゃん。
あんなキレイな所で泳いでいる人たちが湘南海岸とかで泳いでる我々を見ると同じように
「うわーそこで泳いで大丈夫なの?」とか思ったりするんじゃなかろうか。


帰りに飛行機は隣席がバーバリーのシャツにアディダスのジャージを履くっつう
脅威的なコーデイネートの中国人民男性(推定50歳)が巻き起こすアトラクションの数々。
タンを吐く、鼻くそをほじる、立ち上がって窓を覗きに行く、離陸直前にケータイで電話する、
お湯をもらいカップラーメンを食い始める…非常に苛立たせてくれてシェーシェー。


とにもかくにも身内が増えたってことで、迷惑を掛けないようにしなければならない!
それと近いうちに「おねぇたま…」と保毛田保毛男みたい呼ぼうと思う。マハーロ!


で、今日はこれから宇都宮に行く。電車で2時間半か…
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2010年05月09日

なんて悪意に満ちた平和なんだろう

死体だ地獄だと気分が悪くなるような事ばっか書いたバンコクの話ももうおしまい!多分!


本当はもっと、しょうもない事イッパイあるんやけど…

例えば、何故1泊500円もしない独房みたいな部屋に泊まる事になったかとか
初めてマッサージを受けた話だとか、クラブに行ったこととかね。

続きは酒の席で!つーか、もう酒の席でオレが喋ってるっつーの!


あとは、バンコクについては、チャーリー・ウィラポンの生き様を見てくれっつーの!







では、最後はアユタヤの駅で出会ったワン公の写真。

犬もこんな寝相すんのかよ!かわゆすな〜。

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2010年04月25日

病める無限のブッダの世界pt.2

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地獄の入り口!のくせに、まずは安心家族計画の像がお出迎え。

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突如、DVの応酬!

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坊さんにすがる民衆。

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このクソ坊主!

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地獄すなぁ〜。

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超人系の能力者。

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動物系の能力者。

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さかなくん。

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ホンコンさん!なにしてはるんですか!


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天まで届け。

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この状況で、この表情。

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地獄?

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あたまがおかしくなりそうだ!
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2010年04月21日

病める無限のブッダの世界

前回の記事に対して、死体とか気持ち悪ぃ話ばっかすんな!お前も蝋人形にしてやろうか!と
顔にメイクを施した悪魔(地獄の都Bitter Valley出身・相撲好き)のような罵詈雑言を多数受けた。

どいつもこいつも一皮剥いたら同じような姿だろーがっ!なんて反論はさて置き
反省してます。ニンッ!


今回はガラリと話題を変えて、死体博物館に行く前に巡礼した寺の話。寺だぜ、寺。てんぷる。
スピリチュアルっすねー。その名もワット・ファイロンウァ!通称「地獄寺」であーる!

アハハ、結局、そんなトコばっか行ったんだ。
とゆーかココに行きたくてバンコクくんだりまで足を運んだと言っても過言でもない!

出発前に日本でココまでの交通手段をググってみたら、奇跡的にヒットした1件には
『南バスターミナルで、68番と書いてあるバスで2時間ぐらい』と
凄く丁寧に説明されていたんだけど、それが4〜5年も前の話でサ。
この行き方で本当に行けるのか?と現地民に聞けばなんとかなるわいや。と考えたのが甘かった!

電車の車掌曰く
「電車じゃ行けないよ」

ホテルの受付曰く
「なんちゃらって街までバスで行って、そこからタクシーだ」

タクシーの運ちゃん曰く
「あと3人友達連れてくれば1人頭安くなるぞ。3人呼んだら電話してこい」

ツーリストインフォメーションのおっさん曰く
「あんなトコまで行くのか?うーん、アナタ、チョット、アホね」

阿呆扱いまでされる始末で、まぁ散々な結果。

こうなりゃ、ひとまず、その南バスターミナルまで行くしかねぇ。
タクシー拾って、市内から30分ほどでターミナル到着。
周辺国で今まで見てきたバスターミナルってのは、名前だけは一丁前にバスターミナルだが
原っぱにバスが停まってるだけじゃねぇかよ。っつうのがホトンドで、今回もナメていたが
予想に反して、所謂、ザ・バスターミナル。ガソスタもデパートも付いてるでよー。


バスターミナルで奇跡的に68番の文字が書かれたバスを発見。
その横で「くそ上司。いつか轢き殺す」と言った具合でタバコ吸っていた
運転手らしき親父に本当に行くかどうか尋ねる。

オレ「ワットファイロンウァ?」
親父「ワットファイロンウァ!」

オウム返しでしかなかったが、これで間違いなく辿り着く事が分かった。安心安心。

タイ人オンリーの超ローカルバスは、バンコク郊外っつーか隣の県までひた走る。
道路もコンクリだから快適この上ない。バスターミナルもそうだったけど
やはり、東南アジアと言えどもタイだけは一歩進んでるな。セブンイレブンだらけだし。

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1時間半後、突如、先ほどの親父(運転手ではなくて車掌だった)にバスから放り落とされる。
ワケもわからず、目の前にあった鳥居のような門をくぐるも寺社の姿はどこにも見えず。

やはりオウム返しだけじゃ会話にならんか!心配になりつつ炎天下の中20分程歩くと
前方に馬鹿デカい大仏が1つとそれを取り囲む数百数千の大仏の群れ。

わぁー着いたー!大仏ありがたーい!と手放しで喜ぶわっきゃない。
これぐらいならバンコクのワットポーとかで見とるわい。

地獄寺の名の通り、地獄をモチーフにしたコンクリ像が無数にある奇妙奇天烈な風景。
まさに萬國驚天掌!を見に来た訳なので、ごく一般的な仏像はスルー。流しまーす!


で、それはあった。地獄甲子園もビックリな世界。墓場で運動会状態。
中には「それ地獄関係なくね?」ってヤツもあったが。いや、むしろそんなのばっかだ。

非常にクリエイティビティを刺激すると言うか、何と言ったらイイのか…
とにかく頭の中でボカンと何かが弾ける音が聞こえたのは間違いない。
かの岡本太郎が言うところの「芸術が爆発だ!」
はたまたECDが言うところの「漫画で爆笑だあ!」ってヤツなのか?
作った本人は芸術と思ってやってないんだろーけど。

見渡す限り全てが被写体になりうる風景に興奮して100枚ぐらい写真撮ってもた。
帰国後、その写真を見せた鹿田akaディディ田画伯の感想
「うわっ、ここでずっと写生しててぇ!」と言う意見に私は激しく勃起する!


って、事で写真は次回にお預けスティーロ。ハウス!待て!話はその帰路まで進む。


大満足でワットファイロンウァの地獄巡りを後にしたのだが、ここで整いました!

「帰りのバンコク行きのバスってドコで乗るんだ?つーかいつ来るんだ?」

そう、交通手段をググってヒットしたサイトには、バンコクからの行き方は載っていたものの
帰り方が載っていなかった。しまったしまった島倉千代子ってヤツ。

時計を見れば正午過ぎ。なに、まだ慌てるような時間じゃない。
最悪、タクシーを拾えばエエじゃないかと周りを見渡すもタクシー1台も通ってねぇでやんの。

うーむ、とりあえず、来た時にバスから放り出された所に行くと
路肩に放置されているお粗末なベンチに学生らしきカップルが1組座っている。
あれがバス停に違いない。ピンと来た。YAZAWAピンと来たね。

ここで待ってて、来たバスに乗ればバンコクじゃなくても比較的デカい街には行くだろうってね。
そこまで行ってまたバス乗るも良し、バスが無けりゃ一泊するも良し。
そういうのYAZAWA、嫌いじゃないんだよね。何て言うの?旅してるって感じ?

結局、1時間ぐらいベンチでアオアオしてたらバスが来てさ。
運転手さん、このバスに僕も乗っけてくれないか?行き先ならどこでもいい。
ブルーハーツみたいな事シャウトして乗ったんだけど
「どこでもいいじゃねぇよ、どこ行くんだよ」と言われてしまってね。
あったまきて、YAZAWA言ってやったね。「バンコクまでヨロシク!」


そのバスで何も問題なくバンコクに着きましたとさ。楽勝。
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2010年04月03日

白いヤミの中

その名の通り全世界の死体愛好家たちがヨダレを垂らして集結するトワイライトゾーン…

と、アングラ臭プンプンで書き出したものの、ちたまの歩き方にもデカデカと掲載されるぐらい
定番スポットと化している、その名は人呼んで「死体博物館」

土産話のひとつにっつうワケで足を運んでみる。
別に死体マニアとか臓器オタクでは無いので、あしからず。


4バーツ(約12円)も払い渡し船に揺られて彷徨いながらも辿り着くも入口で警備員に
「今日は仏教の大切な日で休みだ」と言われ、悔しいので翌日また行ったが死体マニアではない。



ちなみにタイでは死体雑誌と呼ばれる交通事故なんかで亡くなった方々のカラー写真が
無修正でがんがん載っている雑誌がコンビニで買えるっつう話を聞いたので
早速、町中のコンビニやキオスクを隈無く探したが見つからず
悔しいので、わざわざ電車とタクシーを乗り継ぎバンコク中心地に位置する
一流デパート店内の巨大ブックセンターにて、英語が通じるエリート店員に恥を忍んで尋ね
「ソールドアウトです」の一言に撃沈するも、死体マニアでは断じて無い!

つーか、そんな雑誌がソールドアウトすんのかよ!


話を戻す。


国内トップクラスの病院敷地内に、その魅惑じゃない戦慄の博物館はあった。
当たり前だが「死体博物館」っつう名前ではなく、正式には「法医学博物館」とか
「寄生生物学博物館」とかいくつかのセクションに別れていて誰でもウェルカム状態。


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まずは「不老不死になるため!」ベジータ王子みたいな願い事を叶える為に
子供5人誘拐して、食べちゃったっつう超サイコパス野郎のお出迎え。
銃殺刑後「ロウで固めて見せしめたれや」ってワケで
同じようなヤツらと一緒にこちらに鎮座ましまし。
どういう訳か、そいつのすぐ脇に被害者の子供が事件当時着ていた血痕付きの衣服や
凶器類もばっちりコンプリートされとる。気分はもう捜査一課だ!


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あくまで研究の為なので、ズラズラーっとホルマリン漬けが並んでいるだけ。
まぁ簡単に言ってしまえば理科準備室みたいな感じか?
違いは並んでいる人体が模型かモノホンかっつう事ぐらい。

陽が当たりにくく万年薄暗くてジメジメして薬品臭が立ち籠める理科準備室よりも
陽当たりは最高だし、年がら年中、観光客や地元民がわらわら訪れるコッチの方が
不気味さは無いかもね。


病院内にあるもんだから「ハイ、死んじゃったよ!」「アイヨッ!」とか言いながら
スパスパと斬ってドボドボとホルマリンに漬けて「良しっ!見てくれ!どーだこの死体!」
so fresh!!な活け造りみたいな事でもしてんのかと不謹慎すぎる想像をしていたが…


ライトなものは、ケツから寄生虫がウネウネ飛び出してる写真とか
各種内蔵や体の部位、象皮症で世界一?デカくなったオキャンタマとか
ハードなものは、CTスキャンのように頭から足の先までの輪切りにした塊とか
頭に被弾した生首を縦にぶった切って脳内で止まった弾道を見せてたりとか…


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でも、まぁ、これぐらいだったら、背中がゾックゾクする度は
プノンペンのトゥールスレン博物館の方が数倍かなーと余裕こいていると
水頭症で頭が2倍ぐらいの大きさになった胎児の半開きの目と目が合って、too bad!!
最後にかなり暗い気持ちなり、般若心経Rap聴きながら、この博物館を後にした。


それにしても、シャム双生児を筆頭に奇形児のホルマリン漬けのあの量。
夥しい量を目の当たりにしてみて、自分は顔面偏差値は限りなく低いものの
五体満足でいられているのは、単純に運が良かっただけかもしれんと思いながら
炒めた牛の臓器と白米をバクバク喰らった。


今年、誕生される多くの腐れ友人どものジュニアたちが
まずは、運良く健康な身体で、おぎゃあと産声をあげてくれる事を願う。

あと欲を言えば、顔だけでもイイから嫁さんに似たら楽勝人生だろうけど。

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2010年03月17日

宙船

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バンコクじゃあ、多くの交通手段を使った。
バス、タクシー、バイクタクシー、自転車、電車、地下鉄、モノレール、連絡船、渡し船…
中でも専らタクシーに乗りまくり。もっぱタクシーっすわ。
多分、日本での年間乗車回数を軽く超えるぐらいは乗ったと思う。

極寒の日本から来た身には、かなり応える暑さの中、止せば良いのに地図も広げず
あっちゃこっちゃ無駄に歩き回ったおかげで汗だく。背中が沼みたいになった。
暑さと疲労のせいで道端でうなだれたら、やたら走ってるタクシーを1台掴まえてライドン!
車内はアホみたいに冷房ガンガン。ありがてぇ。どんだけ渋滞してようが問題ねぇ!


あくまでオレが経験して感じた話なので、事実とはまったく異なるかもしれないが
ローカルのタクシー運転手の多くは英語がまったく通じねぇ。
言ってるテメーもほとんど喋れないからそれほど問題じゃないんだけども。

「おっさん、この寺行きたいんだけど大体何分ぐらいで着く?」
「wqrfjihljsfbdjsbjghl!(タイ語。多分)」
「え?なんて?英語喋れない?」
「nkghlv najmc;l;a?」
「…良しっ!レッツゴー!おい!メーター回せバカ野郎!」

こんな感じ。
試しに決死の覚悟で「キス・マイ・アス!」と言ってみたが
ウホウホ笑ってるだけの運転手。顔を見たらジミー大西画伯を浅黒くしたような
パッと見で、成績表に1と2が羅列してただろう事が伺えるぜ。

一応、国際的な観光立国なんだから少しぐらいは喋れたらイイのに!
と思うのは、コッチの勝手な都合。
向こうさんの土地にお邪魔してるんだから、その土地の言葉ぐらいちょっとは勉強しとかんとな。


たまーに英語を操るヤツもいたが、そんなヤツに限って

「ユー・ゲット・タイガール、トゥナイト、ファッキンファッキン!ワハハ!」

まぁロクな会話して来ないのは全世界共通か?


あっ、でも1人だけ英語を巧みに操るジェントルマンもいたな。

知り合いが泊まっているホテルに向かうべく、毎度のように流しのタクシーを拾い
住所と簡略図が書いてあるホテルカードを提示すると

このホテルは今いる車線の進行方向とは逆方向で、この道でUターンしようにも一本道なんで
かなり先まで行かないとUターン出来ない。だからこのタクシーに乗るんじゃなくて
お前は反対車線に渡ってそこで新たにタクシーを拾いな。

このような事を言ってブロロロローンと走り去った。

かっけぇ!つーか商売っ気ないな!普通だったら遠回りして料金ふんだくるのに!



全然脈略のない話だけど、ドミューン凄いね。
クラブ行かなくていいじゃん。と思う反面、クラブ行きたくもなる。
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2010年03月09日

月ひとしずく

心残りは職場から激ニアーな本屋で前田敦子の写真集発売記念イベントがやってるっつう事。
まぁ整理券持ってねぇから近寄る事はミッションインポッシブルだったけど。

と、ココに綴ってから飛び立とうとしたものの、万が一、しこうきが墜落したり
何らかのアクシデントに巻き込まれ命を落とした場合、この一文が我が辞世の句となる。
そうなったら成仏も出来ねぇな。Deleteキーを連打しながらブツブツつぶやき
ふと、電光掲示板に目をやると機上予定の旅客機が理由もなしに1時間遅れるっつう知らせ。

で、職員に詰め寄って、怒声をあげるオッサン数人。

「どないやっちゅうねん!怒るでしかし!ホンマに!カズヤはまだ夢の中!」

わぁ!本物の関西人だ!セカンドバッグも持ってるよ!さすが関空行きのしこうきだ!

思わず、近くまで行って観察してたけど、よく考えてみりゃ1時間も遅れたんじゃあ
関空でバンコク行きに乗り換える時間無いじゃん。オレ行けないじゃん。ダメじゃん。

すぐさま関西人達に加担して「なんでやねーん!なんでやねん!」と
渡辺徹(レペゼン・スーパーマリオスタジアム)バリにニセ関西弁で頑張ったが
「とりあえず関空まで行ってくれ。向こうで対応する」の一点張り。

ちなみに他の関西人達の抗議内容というのがかなりしょーもない!
「1時間も遅れたんなら、空港からのバスが無いやん。タクシー代高いやん!」
そんなんだから君達はマックのポテトの事を「マクドのフライドおいもさん」って言うんや!


予定時刻よりも1時間遅れで関空到着。
すでにバンコク行きのしこうきの離陸時間からは30分も過ぎてやがる。
さて、どうしたもんかね。今宵は航空会社が持つ一流ホテルの一流部屋を確保してもらい
明日の朝イチのしこうきまで一流ペイテレビ観まくるか。それも悪くないなー。
ファンシーな期待を若干抱きながら某航空会社の乗務員にアタック。

「どーするんですか?」
「走って下さい」
「え?」
「だから!走れば間に合うかもしれません!」ダッ!
「あっ!」

何故かチョイ切れして、走り出す乗務員 ※参考画像「疾風の速水」©なにわ小吉

ラン&ガンで負けるワケはいかない!とゆーか何故オレが怒られる!
スネながらも後を追い、気味が悪い程静まり返った深夜の空港を駆けずり回る。
2F国内線搭乗口から4F国際線搭乗口へ。
そして光の速さで荷物検査とイミグレをくぐり抜け、汗ダクで搭乗予定だった
バンコク行きのしこうきにライドオン!

駆け抜けたおかげで三脚の脚が1本ポロリしやがった。Oh!


こんな感じでズッコケながらスタートした旅行から先日帰国。
以上、ここまでが前置きです。

翌日から週末返上の6連勤スタイル残業エブリデイ。
同時に中耳炎発症で、会社近くの病院に駆け込み薬を6種類処方してもらった。
6種類って、なんだか本当の病人みたいじゃないか…

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さわでぃかー。こっぷんかー。やらないか。
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2010年02月26日

アバヨ、風の残像

仕事終わりで空港に直行!

と言っても今回は羽田なんで職場から30分足らず。余裕すぐる。

まずは関空に飛び、そこで国際線に乗り換え。やれんのか!オレやれんのか!

バンコク到着は午前5時…まさに、明け方にダイブ!都会の海!
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2009年08月08日

Hard Road To Travel

古い話を掘り起こすのもアレだが、先日(3ヶ月も前)の社員旅行の事をさらりと振り返る。


あの旧日本軍をもってダーウィンまでしか空爆出来なかったのだが、そこからさらに南進して
オーストラリア大陸のほぼど真ん中であるエアーズロックに上陸を果たしたってんだから、
我ながら勇ましい限りである。

結果から言うと、なんつーか、ブルーハーツで言う所の
「あんまり平和な世の中じゃ格好悪すぎる、あぁ、宣戦布告、手当たり次第」って感じでした。


「おっさん、バスいくらだ?」
「ウェルカーム。どこのホテルまでだ?」
「いやホテルなんか取ってねぇ。とりあえず街の中心地まで」
「テンダラー!」
「おいおい1000円もすんのかよ。なんとか安く行く方法ないかな?」
「歩いて行くのが一番安いぞ。HAHAHA!!」
「そりゃあいい。歩いたらどんぐらい時間掛かる?」
「3年じゃ。HAHAHA!!」

こんな風に最初に降り立ったケアンズ空港のバスチケットの親父とのやりとりは
カリン様みたいなオージージョークによる歓迎で、なかなか幸先良かったが
(「それじゃあ、バターン死の行進だね!」と笑顔で返してやろうとしたけど
 国際問題になりかねんので堪える)
その後に会うヤツ会うヤツの英語がさっぱり聞き取れねぇ、こっちの言葉が伝わらねぇ。

今までよちよちではあるが、1人で色々騒がしい所に顔を出したりしていたので
少しはガイジンとコミュニケーション取れようになったと思っていたが
そんな驕りも完膚なきまで粉砕された。まさに粉にして砕く!
それこそ、今後、英語を喋る国には行く気が失せるぐらいね。

あんな英語だらけの国で汗水垂らしたり、デカマラぶち込まれながらも
ワーキングホリデーかなんかであの国で生活している同胞達を尊敬してやまない。



ミニバス1台に20人ぐらい押し込まれて、2日間野宿しながらオージーの雄大な自然遺産を
満喫させてやるよ!ヒャッハー!的なツアーに参加した。
集合時間は朝5時と殺人的な為、座席に着くなり即座に深い眠りに…つけなかったのである。
ここのガイドが、やたらとハイテンションで(朝5時だぞ!)恐ろしい事を口にした。

「ここで会ったのも何かの縁だ!これから3日間仲良くやる為に皆で自己紹介していこう!」

あぁ!今思い出しただけでもゾッとする!
アンタに悪気は無いんだろうけど、今まで自己紹介してすぐ仲良くなれた事なんか一度ないぞ。


凄い凄いと話には聞いていたハエの多さ、行ってみれば本当に顔の周りを100匹ぐらいが
常にぶんじゃかぶんじゃか旋回していて、蜂蜜業者が蜂蜜取る時みたいな感じか?
非常に不愉快だったが、あまりの不愉快さに感動すら憶えた。


それから、野犬が来たらヤバイから焚き火の近くで寝ろっつう忠告を無視して
焚き火の明かりが届かぬ漆黒の場所に寝袋を広げ「人間は犬に食われるぐらい自由だ」と
メメント・モリの一文を思い出しながら寝袋に包まり、見上げれば地平線まで広がる星空!天の川!
まさに星屑の下のディスタンス!うーむ、魂揺さぶられた。ディスタンスって何?


オーストラリア大陸の原住民であるアボリジニーの聖地である
エアーズロックに登山用(登岩用?)のクイをぶち込んで、登れるようにしときながら
「聖地らしいから登るんじゃねぇ」と言うオージー達の態度にはクソ違和感を憶えるけど
そこらへんの事情とか歴史はまた調べてみようと思う。

2011年には完全に立ち入り禁止にするみたいね。良かった良かった。


そんなこんなで短いながらもワイルドかつ収穫多めな社員旅行であった。

でも、やっぱりもう少し物価が安いとこの方がイイなー。

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2009年07月13日

NICE GUY FINISH LAST

やぁやぁやぁ。あとはどうやって帰国したかを書くだけで完結か、楽勝だぜ!と
4U(余裕)こいてたら1ヶ月以上も放置してた。気付いたら夏はすぐそこだ!

早く浮かれたい為に「家に着いて風呂入ってうんこして寝た」とだけ書いて終わらそうと思ったが
それじゃあ、ここまで読んでた友人達を馬鹿にしすぎ。
ましてや「長い文章読むの好きなんだよねー」と褒めて(?)くれたクライム6塾長に失礼すぎる。

って事で、よーやく最終話。最終話のセオリー通り、いつも以上に長くなっております。



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昼メシ後も、店頭にイスを出して座り込み、いつもと何も変わらないのんびりとした時間だ。
時計を見るとチェックインの3時間前。ここからシェムリアップ空港まではバイクで順調に行けば
30分も掛からないだろうと、今日まで散々冷やかしまくったバイタクの連中に聞いた。
途中、何があるかわからんので、そろそろ出発した方が良さそう。

よっこいしょーいち!と、久しぶりに担いだバックパックの重さによろめきながら立ち上がる
オレの勇姿に、横であくびをしていたスレイナも気付く。

「行くのか?」
「うん、そろそろ帰るわ。色々とありがとね」
「ちょっと待ってろ」

一旦、店の奥(と言っても2m先)に消え、戻ってきたスレイナの手にはカンボジア名物の
てぬぐい・クロマーが1枚握られている。まだオレに売りつける気か!

「はい、これ給料!」
「ん?」
「日本人の客いっぱい呼んでくれたから、給料払うよ」
「マジで?」
「マジデ!」
「でも1週間近く働いて1ドル分のクロマー1枚かよ!随分安いな!」

2人でイヒイヒ笑っている光景を目にしたマイやスレイナの母ちゃんや店のオーナー様も
「あのジャパニーズようやくどっかに行くみたいだぜ」と悟ったらしく、わらわら集まってくる。
つられるようにガジラさんやトロリン師匠、一緒に遊んだ周りの土産物屋のヤツらも
店番を放ったらかしてオレの周囲を囲む。お前ら、また万引きされるぞ…


取り囲むみんなから「いつ来る?来年か?」と聞かれまくる。
「いやー来年は流石に無理かな。仕事してるっぽいしね」(この時はこう考えていた)
そう正直に答えると、ありがたい事に落胆した表情を見せてくれた。
「でもきっとまた来る!いつかは分からんけど…サムデイ!アイルビーバック!」
往年のパンチラインで〆て、オールドマーケットの出口に向かい通路を歩き出す。
出口に繋がる角を曲がる時「マサキ!」と名前を呼ばれ振り返ると、みんな気怠そうに
手を振ってくれていた。凄く良いシーンで写真に残したかったけど、この暗さじゃダメだな。
カメラを取り出すのをあきらめて、未来に帰るトランクスばりに親指だけ突き上げた。ぐっ。
マイの「グッドラック!」と言う言葉に背中を押されるように外に出る。


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「サヨナラだけが人生だ」なんつう言葉を噛み締めている余裕はない。
外に出れば瞬時にまたカンボジア人に囲まれる。たださっきまでオレを囲んでいた
心暖かいヤツらとは違い、今は息がくせぇバイタクのオッサン連中。
こんなバックパック背負ってるヤツは1番おいしい客ってワケでみんな一様に
「ミスター、エアポート、4ダラーオッケー。ベリベリチープ」
バカそんなするかよ、そりゃプノンペンまでのバス代じゃねーか!1ドルで行け!と
捲し立てると「オー!ミスター!オー!」とか言って全員去って行った。

その後も鼻くそほじってるバイタクに片っ端から「ヘイ!カール!ヘイ!カール!」と
ミスターばりの英語で巧みに交渉するも全員が4ドルだの一点張り。お前らみんな組んでんもん!
道路脇で1人ぽつねんとトゥクトゥクに腰を掛けていたひ弱そうなオッサン。
このぐらい弱そうなヤツなら赤子の手を捻るようにベリーチープになんじゃねぇか?
おまけにオッサンが腰掛けているシートに目をやるとは、ナンバーが入った茶色のベストが
さりげなく、かつ目立つように垂れている。
ガイドブックによれば、こりゃあ、白タクじゃないよっつうドライバーの印らしい。
無用なトラブルを回避する為にもベスト着用のドライバーを選ぼう。との事。ふむふむ。

「ミスター、エアポート?」
「イエス!」
「4ダラーオッケー」
「ノーノー!1ダラー!」
「オー!ミスター!オー!3ダラーオッケー!」
「値切るの早ぇな!オッケー!2ダラー!」
「ノー!3ダラー!」
「2ダラー!」
「スリー…」
「2ダラー!」
「2ダラーアンド…」
「2ダラー!」
「トゥ…」
「2ダラー!2ダラー!2ダラー!」

首を縦に振るのと同時に、トゥクトゥクに乗り込もうとするオレを置いて
明後日の方向に歩き出すオッサン。おい、一緒に歩いて空港まで行くんじゃねーだろーな。
付いて来いと手招きするので後を追うと、オンボロのバイクの前で立ち止まり一言。
「よしっ、乗れ!バックは前に置け」
待て待て、オレはトゥクトゥクに乗るハズだ。
「あのトゥクトゥクはオレのじゃない。あそこで休んでただけだ」
そう言ってニヤニヤしてやがる。

くそぅ、これだ、今日までこのニヤニヤ顔をアホ程見た。
ボラれる時もメシを頼む時も写真を撮る時も馬鹿話する時も
いつだって目の前にはこの微笑と言うかうすら笑いがあったなー。


結局、白タクだったオッサンのオンボロに跨がり15分程で空港に到着。
近ぇ!アンコールワットより近ぇ!でもって空港小せぇ!海老名SAより小せぇ!

チェックインの際にごにょごにょ言われ、なんとか聞き取れた単語だけで察するに
「お前こんなに早く来ても、この空港で待つのは退屈だろうから1本前の飛行機で
 バンコクまでお行きなさい。バンコクの空港はデカイから乗り換えの時間もヒマ潰せるだろ」
早くもなにも、普通にチェックインの2時間前なんだけどな。まぁ良きに計らえよ。って事で
「アハン、アハン、イエーイエー」と相槌打ち(文字にすると洋物ポルノじゃないか)
無事にチェックイン完了。カンボジアの入国も出国もド楽勝すぎて少し心配になるぐらい。

最後にカンボジアで聞いた言葉は、チェックインカウンターの女の「サヨナナ!」だ。

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2時間後、バンコク到着。
先程のチェックインカウンターの女性の粋な計らいで成田行きの飛行機は8時間後。長ぇ…
ヒマ潰しも何も金が無いので、ひたすらベンチで寝て過ごすしかない。
これじゃあ1本前の飛行機でバンコクまで来た意味がねぇ。
むしろ、シェムリアップ空港で待ってた方が、余った4000リエルを使えるから良かったかも。

ようやく乗り込んだ成田行きの飛行機内でもとにかく寝る。趣味は寝る事かな。
ぐーぐーしてる時、突如誰かに揺り起こされ、眠い目をこすり見上げるとCAの姿。なんだ?
乗客の中に医者でも探していて、オレのあまりの気品の高さに勘違いしたのかと思ったが
どうもそうではないようで、オレが目覚めたのを確認するや否やニカッ!と笑い
「ブレックファースト、プリーズ」とサンドウィッチを放り投げてきた。
時計を見ると午前3時45分。こんな時間(しかも寝起き5秒後)に朝飯なんか食えるか!
フンガー!遺憾の意を表明する為、全部平らげてやった。


明朝6時過ぎ、じゅんじゅわ〜と成田空港に到着。恥ずかしながら帰って参りました!
入国審査を余裕で通り抜け、バゲッジクライムでバックパックをすんなりゲット。
だが最後の税関でまさかのストッピンナウ!

「どこに行かれてました?」
「えっと、カンボジアとベトナムです」
「1人で?」
「えぇ」
「ふーん…あのぅ、麻薬とか持ってません?」

なんつう質問だ!あまりのストレートな尋問に「ああああああのー」とキョドっていると
問答無用にバックパックを開け、がさごそ漁られる。洗っていないTシャツの臭いで
係員が一瞬オエッとなり、若干気まずさを残すも無罪で釈放。
日本の麻薬汚染は彼らの手によって守護されているのであります!
余談だけど、ジャマイカとかコロンビア、アムスから帰ってきた人間は別室に連行されて
タバコのフィルターまで剥がして徹底的に調べられるってのは本当なんだろーか。


あとはバスで横浜まで帰るだけだ!意気揚々に空港の外に出たらクッソ寒ぃ!
電光掲示板の温度計のトコには「3℃」の文字が点滅!思わず2度見した。
人間が暮らせる温度じゃないだろ。そんな中、オレの格好はサンダル、短パン、Tシャツと
サマーマッドネス全開。だってちょっと前までいたの最高気温38℃の世界だぜ。
パーカなどの上着をカンボジアの民に寄付した事を後悔しつつ(一生使わないそうだけど)
寒空の下、くんくんになり待つ事30分、乗り込んだバスの座席にもたれ掛るとともに他界。


バスの窓から見慣れた風景である横浜駅を眺め「うおっ!電車が走ってる!」と驚いた。
そしてそんな事に驚いた事に驚いた。つまり二重に驚いたって事。意味分かる?

えーっと、電車ってどうやって乗るんだっけ?多少戸惑いながらも
使い慣れたカボチャ色の(は、もう無いんだっけ)列車でサグタウン戸塚に向かう。
車内にはコートやダウンを着込んだ連中ばかりで、こんな季節外れの熱帯ボーイな格好、
おまけにバクテリアン並みの悪臭だと、いくらナイスガイでも周りには近付きたくはないようで
通勤時間でありながら、オレを中心とした半径20m以内には誰も寄らず、
この旅最後の乗り物は非常に快適であった。視線だけが痛かったが。


マイホームグラウンド・戸塚。
勤務先のアパレルショップ(お洒落)に通勤途中らしい高校の旧友スコッチにばったり遭遇。
言わずもがなさ、東京イチのお洒落さんであるスコッチはビビットなカラーリングもアウターで
春の訪れをさらりと演出。対するオレは浮浪者とメロコアキッズ(死語)を混ぜた格好に
馬鹿デカいバックパック。おまけにTシャツの胸元には「LEISURE(=暇)」と書かれている。

ギャハハ!なんだその格好は!と写メを撮られながら、
オレは、ニヤニヤと、あのうすら笑いを浮かべた。


そんで家に着いて風呂入ってうんこして寝た。


おしまいける

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2009年05月27日

WONDERWALL

「これはお前の分、お前のお父さんの分、お母さんの分、お兄さんの分、お姉さんの分…
 それからコレは折られたモップの分!」

一週間も滞在したゲストハウスをチェックアウトする際にホテルカードをどっさりくれた。
さて、今日の夕方には飛行機で日本に戻る。残された僅かな時間をどうするかだ。
なんて考えることはさらさらない。今日も今日とてスレイナの店に…出勤だ!


へいへい、おーきにまいどあり、しょーばいはんじょー、なにわのあきんどや。
珍しく午前中から客足が絶えない。しかも日本人のピチピチギャルが目立つ。
こらぁ、何の前兆だ?明日死ぬのかな。
ちょうど、そんなピチピチギャルたちがスレイナと値引き合戦をしていたので
「いつ来たんですか?」と唐突に話しかけてみると、鳩が豆しぼり…じゃなかった。
鳩が豆鉄砲喰らったような顔で見つめられ「日本語ウマいですね!」
どうやら同胞とは思っていないようだが、一応、御礼を言う。
「ドモアリガトゴザイマス。初めて言われました」
横ではスレイナ達が「日本人が日本人に日本語褒められとる」と、ころころ笑っていた。


ピチピチギャルたちに話を聞くと、どうやら彼女たちは花の女子大学生で、ボランティアの為に
シェムリアップに来られ、今日は終日フリーなのでみんなで土産物を買いこんでいるとのこと。
じつにおしい!せめて1日ズレていれば、あいまみえることが出来たかもしれない!
ともかく、今日はヤングガールがメニーメニーっつう情報だけでもベリーハッピーな事だ。
お礼を含めて、常食しているブドウのやうな果実を差し出すが
「チャレンジしたいけど、ホテルのレストラン以外では、変なものを食うなと言われていて…」
「サラダの生野菜で当たった娘もいるんで…」

生野菜を食うなんて野蛮な習慣がなくて本当に良かった。
そんな物騒なもの、これからも絶対に食うことはないだろう。てめぇら、暴力に懺悔しな!
つーか、オレが常食してたのって、人から見たらチャレンジして食うもんの部類なのね。


昼メシ時などたまに顔を出すオッサン。重役出勤とは、イイ身分だな。なんて悪態ついていたが
どうやらこの店のオーナーなのか、スレイナの親父なのか、とにかくイイ身分だった。ごめん。
出勤してくるなり、まずはオレを汚物を見るような目で一瞥くれて舌打ち。ちゃっ。
そりゃあそうだろう、テメーが死ぬ思いしてゲットした店に、いつの間にか薄気味悪くて
貧乏な外国人が居座り、なおかつ娘(なのか知らんが)を視姦してるんだぜ。
オレが親父の立場だったら、ダルマにして、ワニ園に投げ込むな。

そんなワケで、いつもは親父さんの視線がチラチラ痛くなると、
「海外旅行では命の次に大事」と言われるパスポートも店に置きっぱなしで
ポケットに1ドル札3枚ねじり込み、ひとまず地下のマックに避難!
だが、今日は違った。なにやらニコニコしている。見ろよこの晴れやかな顔。
こんな顔を見るのは中学時代、ヤクザのような体育教師、つうかヤクザそのもののフジワラが
「おい、あれ見ろ。富士山綺麗だなぁ」なんて喋りかけてきた時以来だ。
(後日、副校長へのカーストアップを命じられた直後だった事が発覚)

ヘイ、ミスター!と呼び止められ、ごにょごにょカンボジア語で何か仰っている。
「あんた、あの娘の何なのさ」とディスられてるかと思いきや、バーン!バーン!と、しきりに
口にしてるとこを推測するに、どうやら、メシを食ってけと仰っているようで、イイんすか?
まぁ、ぶっちゃけアンタが居ない時も食わせてもらってるけど。今日は親父公認だ。
嬉しいお誘いに早くも、お義父さん!と呼びそうになった。ついでに娘さんも食ってイイすかね?


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このメシ、おろそかには食わん!

いわゆる、これがカンボジアの家庭料理か。
白米、焼き魚、挽肉と豆の炒め物、生姜と唐辛子のスープ、あとキュウリみたいな謎のフルーツ。
食い過ぎてラモスになるかと思うぐらい、夢中でがっついていたが
「うわー、店の中でメシ食ってるぜ」なんつう観光客の声と視線にハッとする。

先日まで「路上は回転する劇場だ」ILL-Bのこの言葉にウンウンと頷きながら
そこら中で繰り広げられる非日常的風景をオレもダハハとオモロがったり、シェーと驚いたり
それこそ劇場に足を運ぶ観客のようであった。
しかし、ここで気付いた。オレも観客ではなく、イチ出演者になっている?



ろんぐろんぐたいむあごお。時は僅か2週間前。ベトナムはホーチミン。
声を掛けてくる露店のババァやバイタクにビビって、顔も見ずに「ノー!ノー!」と
首をぶんぶん振りながら、とにかく前だけ見て宿泊予定だったホテルを探し廻った道のり。
時間にして15分程だったが、緊張と疲労と暑さと荷物の重さで吐きそうになった。
オノレの弱さをビムビム感じさせてくれた、排気ガスまみれのスタートラインであった。

それが今じゃどうですか。
カンボジア人純度100%の土産物屋界隈に居座り、食事を共にしては
日本人観光客を寄せ集めているっつう凄まじい着地地点。
2週間前こんな風になるとは、お釈迦様でも分かるめぇ。まさに外道!

自分で言うのもあれだけど、なかなか逞しくなったんじゃね?
いや、逞しいってのは格好良過ぎだな。単純に図々しくなっただけか?


とにかく旅の終わりを掴んだ。


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2009年04月21日

Still Is The Night

「わしもビチ糞が止まらんのじゃあ」はだゲン(はだしのゲン)のセリフを呟きながら
1日に10錠の正露丸を欠かさなかったおかげで、1週間程で完治!カーンチ!エックス打とう!
日に日に固形物に近づいていくウンチョスの姿。トイレに駆け込むのが楽しみになったぐらいだぜ

ごっそり日焼けした箇所が皮が剥けた。腕や首や肩は分かるが、まさかスネの皮が剥けるとは。

それでは、リビアのテロリストからパクったプルトニウムを使って話を昨年に戻す。はよ終わらせ


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カンボジア最後の夜。つーか、この旅最後の夜である。あー明日の今頃は僕は汽車の中ぁ〜。
思わず歌ってしまうが、無論、この国に汽車・電車は通っていないので飛行機で帰るつもり。

PM7:00。スレイナの店のシャッターを下ろす。閉店ガラガラ。同じように仕事終わりの
トロリン師匠やナイスガイ達がサイーをする為にわらわら集まってきたので
今夜はオレの引退試合である。気合い入れてプレイしやがれ!激を飛ばすと
みんな、ワーッ!と盛り上がり、引退試合にふさわしく白熱したゲーム展開に汗だく。
オレなりに大健闘だったと思う。ダブルスコアだったけど。


最後の晩餐は、ちょっとリッチにしようと思い、クメールキッチンっつう有名店に。
1品3ドルと普段屋台で済ましていたメシの3倍の値段だが、ここで挫ける訳にはいかない。
アンコールビールにカンボジア茶、川魚とニンニクの炒め物、豚肉入りチャーハンとキメた。
流石に有名店だけあって美味。これだったら、むしろ安いぐらいだ。いやそれは言い過ぎだ。

1人ヨッパラッテ気持ち良くパサパサの米と幸せを噛み締めていると、入り口付近が騒がしい。
見ると、若い日本人旅行者が10人ぐらいがなだれ込んで来てオレの隣の席に着席。
あーあたしこれたべたいー、とりまービールでよくないすかー、これもおいしそうー。
ぎゃあぎゃあ、うるせーな。一瞥くれてやると、麻っぽいTシャツや後染めのタンクトップに
インドのクルタのようなぶっといパンツ、アウセサリーじゃらじゃら。
ドレッドヘアーもしくは頭にヘンテコな布巻いたり、何故か花が付いてる方もちらほらいて
話している内容は、どうやら本日ボランティア訪問した孤児院の話。
もうええっちゅうぐらいピースなバイブスが溢れ出て、吐き気がするぐらいロマンチックな
要するにオレらが大っ嫌いな格好した連中。死んでくれ。

まぁ、こーゆーうっとおしい人達も話してみると意外と超イイひとだったりするから
外見だけでは判断してはならない事ももちろん理解してますよ。ただウゼェ。


せっかくの晩餐をブチ壊され、結局屋台でさらに酔っぱらう。
真っ赤な顔で深夜徘徊してると「ドコ行クンデスカ?」たどたどしい日本語で声を掛けてきたのは
2、3日前から「コンニチワ」と挨拶だけしてイヒイヒ笑って去っていく若い兄ちゃん。
何だまたお前かよー。とか言いつつもアルコールがたんまり入って気分が良いので
話し相手になってやる。いや、なってもらうか?どっちでもええわ!

彼のたどたどしい日本語(ゾマホンaka弐代目そのまんま東の喋り方とほぼ同じ)と
多分それ以下のオレの英語、そしてカンボジア語とジェスチャーとメモ帳に描く絵とで会話なので
最初はなかなかカオティックな事になった。

「タバコいる?シガレット?」
「ハイ、私タバコ吸イマス。持ッテマス」
「あっそう、んじゃ火貸してくれない?」
「ヒィ?」
「あーっと、ファイヤー。ファイヤー」
「アイヤー?」
「アイヤーじゃねぇよアホ。ファ・イ・ヤ・ア」
「ナンデスカ?日本語ムズカシイデス」
「日本語じゃねぇし。えーっと、コレだよコレ。火!メラメラ!炎!」
「?」
「だからー、火!メラメラ!炎!」
「…ライタ?」
「そう!ライター!くはぁ、最初からライターって言えば良かったのかー」

異国の地でTIMさすな!なんて調子だったのだが、あれやこれや喋るうちに意思の疎通もド楽勝。

「お前こんなとこで何してんの?」
「彼女待ってます」
「彼女?」
「ハイ。彼女そこのレストランで働いてます。彼女を家に送ります」
「あぁ、バイクでね」
「ハイ。夜1人で歩くのは危ないですから」

ほほぉ、もしこの話が本当ならなかなかの好青年ではないか。

「日本語どれぐらい勉強した?」
「はぁー…はひかげちゅ勉強しました」
「あぁ、8ヶ月ね。8ヶ月でそんなに憶えたのか!ウマいな!」
「本当?どもありがと」
「オレ英語6年間勉強したけど全然ダメ」
「6年?6年でそれだけ?ゲラゲラ」
「うるせぇ。ガラさらうぞ!」
「でも、あなた日本語とても上手です。分かりやすいです」
「そりゃあ、日本人だからね(税金払ってねーけど)」
「ここに居て、日本語の先生になれます」
「ははっ、そらイイ考えだな。日本語の先生ってモテる?」
「あなたカンボジア人の彼女欲しいんですか?」
「カンボジア人も欲しいし、日本人も欲しい。両方欲しい!」
「グヘグヘ、わたしも日本人の彼女欲しい。どうすればいいですか?」
「こっちが聞きてぇっつーの!」

そこからまたたわいもない話。
カンボジアは好きか?アンコールワットは見たか?プノンペンに行ったか?プノンペンはどうだ?
大好きだ。もう2回見た。先週行った。好きじゃない、シェムリアップの方が好きだ。
最後の質問に答え終わると、彼は首を横に振って反論する。
「この街は小さくて何も無い。つまらないよ」
なるほど、住民(それも若者)にとっては、そうなのかもしれないな。
いくら世界遺産があろうとも彼らには関係のない話で、遺跡が1つあるよりもデパートや映画館が
1つあった方がきっと楽しいんだろうね。金持っていればの話だけど。

「それじゃあ、どこがオモロイんだ?プノンペンか?」
「プノンペンもだけど、シアヌークビルがイイ所です」

シアヌークビルはカンボジア南部に位置する海沿いの街のこと。
ここで彼の謎のスイッチが入ったらしく、明日帰国すると言うオレに対して
保険の勧誘のババァのようなに熱心にシアヌークビルのセールスポイントを売り込む。

「キレイな海とキレイな浜辺があります」
「キレイな女の子もか?」
「オフコース!」
「ふーん、良さそうだなー」
「わたし前の仕事でシアヌークビルにいました」
「前の仕事って?何やってたの?」
「お坊さんです」
「マジ?」
「お坊さんは大変です。ずっとお寺にいて、とっても厳しいです」
「まぁ、坊さんってそーゆーもんでしょ」
「それから、女の子と喋ってはいけません。だからわたしは辞めちゃいました」
「うわっ、ドイヒー」

こんな野郎にお布施や托鉢をしていたカンボジアの仏教徒に同情せざるを得ない。


好青年ではなかったにせよ、このスケコマシの元坊主に一層の親近感を抱き、日付が変わっても
立ち話を続け、意気投合の末、兄弟の契りを交わそうとした、まさにその瞬間。

「あっ!彼女来ました!」

そう言い放つと、シートの後ろに彼女らしき女性を乗せ、疾風の如く走り去って行った。
おーい、ここまで引き止めといてあっさりしすぎじゃねーか。

時刻はAM1時を過ぎ。空には死兆星が輝き、ネズミがゴミ箱からゴミ箱へ駆けずり回っている。
夜1人で歩くのは危ないと言われた、この街の路上を1人でよちよち歩いているうちに
「確かにこの街で日本語教師をやる人生も無くはないなー」と軽率な人生設計が浮かんだので
感情的になるな!自分の頬をバシバシ引っ叩き、その音に興奮した野犬に追われた。

もし仮にそうなったとしたら、やっぱりオレもこの街が退屈に思えてくるんだろうか?

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2009年03月11日

Hey,Little Rich Girl

スレイナの妹なのか何だか良く分からない小動物から好かれるようになったのはいいが
余程のドSキャラなのか、こちとらカンボジア語はさっぱりにも関わらず
カンボジア語オンリーで自己主張してくるので、とりあえずオウム返しをする毎日。

「クピポ!」
「ク、クピポ?」
「クピピプペポックピプー!」
「クピピプペポックピプー?」

なんちゅーか、則巻ガジラと会話している気分だ。そう言えば身長体重も同じぐらいか?

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パン、ツー、丸、見え。


そんなガッちゃんさん先輩のお気に入りの遊びは以下の通り。

1:拳を握ったオレの右手をぺちぺち5回程叩く。
2:右手首をやや強めに1回叩く。
3:拳の指を1本ずつ伸ばして掌を見せる。
4:右手首に巻き付けられた腕時計をぐりぐり外す。
5:腕時計をオレに渡し、自分の右手首に付けてもらう。
6:今度はオレが拳を握った彼女の右手をぺちぺち5回程叩く。
7:右手首をやや強めに1回叩く。
8:拳の指を1本ずつ伸ばして掌を見せる。
9:右手首に巻き付けられた腕時計をぐりぐり外す。
10:腕時計を彼女に渡し、オレの右手首に付けてもらって1に戻る。

何がそんなに楽しいのか、これを1時間以上無限ループ。気が付けば今日も日が暮れる。

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2009年03月10日

TALK TALK TALK

午後1時、強烈な日射しにうんざりしてネットカフェに逃避行。
アイガッタ、今回チケットを手配してくれたキダーサの友人(旅行代理店勤務)からメール。
「トンレサップ湖も素晴らしいので是非行ってみて下さいね」と、リコメンドして頂いたのだが
不発弾のような、この腹の具合と手を取り合い、バイクに跨がって数km先まで行くなんて…
うんこを漏らすとハッキリ断言出来る。年齢的にはもういい大人なのでそれだけは勘弁だ。
むっ、カンベン?便?それだけで冷や汗がじゅんじゅわー。

しかし、せっかくの善意を「ビチ糞ば漏らしちゃいそうだもんでオラ行ぎだぐねだ」なんて言って
蹴っ飛ばすのも申し訳ない&情けないので
「時間があれば見に行きます。今は地元の人達や建物とのささやかな交流に夢中です」とか
ハートウォーミングな返信をして事無きを得た。まぁウソは付いてない。


店内は風通しが最悪な上、日射しのせいで蒸されて外よりも不快指数高めにも関わらず
フンフンと鼻歌でFirst Loveの練習に勤しんでいるスレイナ。見上げた根性だ。
オレはと言うと、横で「ホット!ホット!」と踊り狂っているだけ。

そこに「ヘイ!イカシてんじゃん!」突然、背後から声を掛けられ、振り向くと1人の欧米人。
いやぁ照れるなぁなんて若大将バリにニカニカしていたが、どうやら彼が褒めていたのは
このモボな(モダンボーイの略)オレではなく、オレの左手首に付けられたブレスレット。
アンコールワット周辺にウロついているブレスレット売りの子供から強奪した一品だ。
もちろん、まったく同じものが、この店でも鼻くそのような値段でわんさと売られている。

「4つ買うから、いくらにしてくれる?」
あろうことか、この欧米人はオレを店員と勘違いしているらしい。
なんだテメーは、カンボジア人と日本人の見分けがつかねーのか。お前ら白人だけが優性人種で
アジアの黄猿共で一括りにしてんじゃねーぞ、コラ。毛唐野郎が。
今度の戦争は負ける気しないぜ。なんてったってアメリカ様が後ろに控えてんだからよぉ。
そうディスる気で相手をまじまじ見てみると、整った顔立ちには立派なクチ髭&アゴ髭。
キャップに押し込められた天然のブロンドのロン毛。タンクトップから伸びる筋肉隆々の両腕には
いっぱいお絵描きがされていて、とってもファンシー。

ようするにアクセル・ローズをもっとワイルドにした感じでベリー怖ぇ。
思わず「わんわんお!」と尻尾を振った。アイムルーザー。

で、このアクセル(仮名)いざ支払いとなると周りをきょろきょろ気にして落ち着かねぇ様子。
すわわっ、オレの目の前で万引きか!もしくは強盗する気か!
「ごめんなさい!殴らないで下さい!それ差し上げますからぁ!」と土下座する準備はしたが
ズボンとパンツの間に隠していた貴重品袋から数枚の紙幣を素早く出し、オレに渡してくるだけ。
どうやら彼の方が強盗に遭わないかビビっている模様。どんだけチキン野郎だよ!

「ミスター・アクセル、そんなにビビらんでも、ここで金盗られる事はないと思うぜ」
「本当か?でも万が一ってやつがあるかもしれないからな」
「まぁそうだね。ところでミスターの両腕に描かれた絵ファッキンクールじゃん」
「だろ?コイツを見てくれよ。オリエンタルなモチーフで超ヤバイだろ?」

差し出された左腕には、恐らく欧米人の太い指で彫られたであろう不格好な龍。だ、だせぇ…。
だが、当の本人は自信満々に「これはジャパニーズスタイルなんだぜ。ベリークール」
アホか、お前の目の前にいるのはジャパニーズスタイルのベリークールガイやっちゅうねん。
「ハハッ(苦笑)おっ、右腕のも凄いね。でっかいオクトパスだね」
「そうだ、でもオレはオクトパスは食べれないんだ」

じゃあ、なんで彫ってんだよ!


夕刻。と言っても日が暮れない限り、熱が店内に渦巻いていて相変わらず暑い。
壁に備え付けられた扇風機だが「回していいのは、客が来た時だけな」と忠告を受けたので
(当たり前だが、最早オレは客では無いようだ)
店頭で声を張り上げる。いらっしゃいませこんにちわー。あとは清水国明の肉声テープが必要だ。

遺跡巡りから引き揚げてきて、ホテルでの夕食までちょっち時間あるから。って調子なのか?
昼間に比べると観光客が多く見られる。そんなかでも我が同胞日本人諸君の割合が高く
声を掛けると皆一様に「こんな所で何してるんですか?岡村さん何してはるんですか?」と
好奇な目で見られながらも「かくがくしかじか、あーでこーで」ここまでの経緯を説明すると
安堵の表情で、ふむふむ、それじゃあ…など様々な要求を求めてくる。

多くは店員との値下げ交渉などの通訳。
まぁ「えーっと、ヒー・ウォント・アザー・カラー。アンド・ディスカウントだってさ」
自分で喋ってて吐き気を催すほど幼稚な英語の為、余計に混乱を招いたり。

または「友人へのお土産でTシャツを買いたいけど、サイズが分からん」と
店頭で様々なサイズのTシャツを片っ端から広げてうんうん唸ってる人には
「Lサイズだと、オレの身長でこれぐらいッスね」とマネキンに変化するも
こっちのTシャツのメーカーのLサイズが、そっちのSサイズと同じとか
素材のメーカーによって規定のサイズがバラバラらしく、これも無駄足に終わる。


あっ、サイズで思い出したけど、まるまる肥えた白人のおっさんが何を血迷ったのか
Sサイズのシャツを「これトライしてイイっすか?」と試着しようとして窒息寸前に陥り
顔がみるみる真っ赤になっていく姿には抱腹絶倒。(本人はいたってマジメな顔)
5歳児の服を着るエスパー伊東のようだ。
んで、試着を断念して一言。
「ちょっとタイトだな」
ちょっとどころじゃねぇよ!つーか着ないと分かんねぇのかよ!


それから「なんかクッキーとかお饅頭みたいな土産物売ってないかしら?」と
尋ねてくる日本人のおばちゃん団体。カンボジアくんだりまで来て、お饅頭とは…
まぁ個人の趣味趣向には文句は言わないぜ。
「さすがに饅頭は無いと思いますけど、あれでイイんじゃないですかね?」
馬鹿丁寧に販売店まで連れて行ったのは、日本人オーナーで安心して購入出来る(らしい)
アンコールクッキーのお店。うーむ、これぞまさしく日本全国の温泉地で見かける土産物の王道!
そう唸らずにはいられない。これなら衛生管理もバッチリですね!しかし高ぇな…


「あのー、日本の方ですよね?このへんで日本語通じる病院ありませんかね?」
そう声を掛けてきたのはバックパックを背負った男女2人。年の功は30オーバーか?
病気でもしてるんスか?思わず空気感染を恐れ口に手をあてがいながら尋ね返す。

「いや、狂犬病の予防接種を受けたいと思って」
「狂犬病スか?そんな噛み付くような元気な犬見た事無いッスよ」

これまで2週間近く3都市を昼夜問わず野良犬の如く徘徊してきたが、目にしてきたのは
だらしなく横たわり舌を出して今にも腐りそうな犬の姿だけ。
その事を伝えると「じゃあ、まぁいいかな」と不安げながらも納得してくれた模様。
念のため「バンコクなら日本語通じる病院あるって聞きましたよ」と付け加えといた。


DSCF1672.jpg

DSCF1674.jpg


そのまま、その2人と立ち話を続けている。ふむふむ、聞くところ2人で仕事を辞めて
放浪の旅に出た直後で、日本から一路バンコクに入り陸路でシェムリアップへ来たばかりで、
これからベトナムへ向かうと言う。おぉ!オレと逆のルートじゃないか!

先輩面して、プノンペンの不穏さやホーチミンの安宿街の場所、物価などをたっぷりレクチャー。
んで、どれぐらいの期間でどこまで行くんスか?何気なく聞いてみる。

「とりあえずベトナム縦断したらタイに戻ってインドに行ってトルコまで行って…
 そこからアフリカ方面かヨーロッパ方面で迷ってて、金に余裕があれば最終的に
 アメリカまで行きたいんですけどねー。1年以上かかりそうですよね。」

うわー、それって、もう世界一周じゃん。なんか、なんかスゲーじゃん。
そんな2人の前で、ちょっと東南アジア界隈をふらふらしただけで先輩面コイてた己を呪いつつ
インドとかそっちの方は野犬がパンチあるっつう話を思い出すが黙っていた。ボンボヤージュ!

posted by thes at 23:58| Comment(0) | leisure | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月25日

Ascenseur Pour L'Echafaud (Lift To The Scaffold)

神精樹の実もといドラゴンフルーツ恐るべし!

朝方4時、あまりの腹痛に目が覚めて便所に直行。そこからはもう出るわ出るわの大開放タイム。
ベトナムでのボッタクリに続き腹下しで、激アツ東南アジアスーパーリーチ!
これで疥癬にでもなればビッグボーナスなのに。と最初は余裕で垂れ流していたが
ベッドとトイレを1時間おきに往復しているうちに、意識が朦朧としてくる。
このままクソまみれで死ぬのはゴメンだ、最後の力を振り念の為バッグに入れておいた
正露丸を飲み(本当はケツにぶち込みたかったくらいだ)再び夢の中へ。

数時間後、正露丸のムテキさに驚愕。天高く掲げて少し舞ったぐらいだ。
さすがは日露戦争で兵士に配られただけある。
こんな万能薬があればウォッカやピロシキも敵じゃないな。


何の疑いなくあれこれ食い過ぎたか、今日からはTAKE CARE OF YOUR ONAKA!お腹大切に!
そう誓い、本日もオールドマーケットに出勤すると、スレイナやマイがマンゴーを食っているのを
目撃して無意識に発した言葉は「それオレにも1つくれ!」

適度なサイズに切ったマンゴーに何故かチリソースを付けて「ひぃー、かれぇー、うめぇー」と
涙目で悶絶しながら食う。これがここでの食い方らしく、まったくもって理解出来ないが
つくづくテメーが常識だと思っていた事は、ちょっと離れれば非常識に変わるのだな。
もちろん逆もまた然りなんだけど。とにかく郷に入れば西郷輝彦ってヤツで
一切れ貰って、同じようにガブっといくが、なんだこれカッチカチやぞ。
マンゴーが努力マンの豆腐ゲタぐらい硬いうえ、辛すぎてクチビルゲルゲになりそうだぜ。
彼女らと同じように悶絶している内に、さらに腹の中も騒がしくなってくる。
むむ、もう正露丸の効果が切れてきたか…このビッグウェーブを乗りこなす自信はない。
アナルが窒息しそうだ。

悶絶の輪からゆっくり後ずさりでオールドマーケットを出て、トイレを求めウロウロ。
ここで慌てて適当なトイレに入ると悲惨な事になるのは勉強済み。
オレはそんなに馬鹿じゃない。ハートは今ここにある。
びーしゃびーしゃな床、水を汲む瓶にうんこさんがこびり付いている、カギが壊れている、
挙げ句の果てにドアが外れている…など、外でカマした方がマシな悪魔の便所が多々ある。
今後この国で脱糞する友人へのアドバイスは「死ぬな」だ。


DSCF1653.jpg

スコットランドで1番汚いトイレよりは比較的キレイです。


かと言って、そんな慎重に選んでいる余裕もない。
バーストリートと呼ばれる華やかな通りに面している欧米人客が多いカフェに行き
「便所貸せ!さもなければ今ここで漏らす!」声高らかに宣言し、OKの返事を貰う前に
せっちんに駆け込んだ。あぶねぇ、パンツに染みが付いたぐらいの被害で済んだ。

こんな事を1日に数回繰り返していると、バイクの乗り過ぎで緩みっぱなしだった
肛門括約筋がさらにゆるっゆる。こりゃモーホー野郎に襲われたら
あっちゅー間にカマ掘られてケツの中でションベンされるな。夜道気をつけねばならぬ。


うんこさんをしてきた事がバレたくない一心で(まるで中2のようだ)
いつもより澄ました顔で店に戻るが、スレイナがきゃあきゃあ囃し立てる。
やはり、一仕事終えた男の顔は輝いて見えるものだ。ほっとく訳がない。
だがしかし、耳をかっぽじって聞くと、どうやら抱いてくれと言っているのではなく
「こんな時にどこ行ってたんだよう!」
どこもクソもあるか!元はと言えば、お前がくれた神精樹の実のせいでオレと言う名の
星の生命が吸い取られたんだぞ!オレシャーシャー!反論しようと口を開くが
それを遮ぎってスレイナが続ける。
「ロバー。ロバー。日本人が万引きしてったんだって」
「ぬな?」

聞くところ、3軒向かい隣の土産物屋の娘がスレイナの元に走ってきて
「商品を物色していた若い日本人男性3人が目を離した隙に数点持ってドロンした!
お前のとこに日本人いるから、何とかしてもらえねーか(意味不明)」と言ってきたらしい。

そいつらが本当に日本人だったかは少し疑問に思うが
まぁ仮に日本人だったとすれば、我が同胞の片隅にもおけない、とんでもねー非国民だぜ。
この界隈で日本人の評判を落とすのはオレだけで充分だ!邪魔すんな!

もし犯人グループとか怪しい人物見かけたら、すぐオレに言えー。と一応ライムをカマす。
まぁオレに言ったとこで出来るのは、捕まえた際に「誰か男の人呼んでー!」って叫ぶぐらいだ。


落ち着きを取り戻しスレイナと交わす会話。

「あっ、そう言えば、オレもここで万引きしたよ」
「うぇ!?本当?ウソでしょ?」
「いや、ホント、ホント。しかもとんでもないものを1つ盗んだ」
「何盗んだの!?」
「それはあなたの心です」
「銭形乙」
posted by thes at 03:00| Comment(0) | leisure | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月21日

PART OF YOUR WORLD

土産物屋のくせに「何だか良く知らねぇ」ものを売っているのはトロリン師匠だけではない。
それどころか、オレが身をもって潜入調査した結果、周りの店のホトンドのヤツらが
「アンコールワットなんか行った事が無い」と答えた。
なかには売り物であるワットの置物を見せてきて「本当にこんな形してるのか?」
一応、観光客であるのオレに逆に質問してくるヤツもいたり。

何故だ?東京都民が東京タワーに行かないようなものなのか?と思ったが、そうじゃない。
チケットが高いから?いや、カンボジア人であればタダで入れるはずだぜ。
パッと見でカンボジア人の名倉akaナクランチュもIDチェック無しで入れたんだから。

で、スレイナに聞いた所、非常に簡単な返答。
「何故って、あーた…仕事してるからに決まってるだろうが!」
彼女らのシフトは、夜勤は無いもののサンクスの加藤先輩も驚愕の7日連勤×4週間。
それでいて、給料の方は曰く「家族の手伝いだから」っつう事でゼロに限りなく等しい。
まったく我が祖国のニート諸君(当時のオレ含む)は平伏すしかない。ハハーッ!

そこから、日本での給料はいくらだ?日本からカンボジアまでの飛行機代はいくらだ?
日本に対しての普遍的な質問をいくつも受ける。

「日本に行きたいかい?」と聞いてみると(買春斡旋業者のようなセリフだな)
「うん、行ってみたい。日本って言うか、他の国に行くのが私の夢だ」
「そうか、オレと同じやね。オレもカンボジアに来るのが夢だったんだ」
「じゃあ、夢が叶ったんだ。おめでとう」
「サンキュー。だからスレイナの夢もきっと叶うよ。全然根拠ないけど」
「うーん、どうだろね」

島国の日本と違い、地続きのカンボジアから隣国へ国境を越えるのは簡単だ。
ここシェムリアップからであれば3時間程クルマに揺られればタイとの国境だから
オレらが毎年遊びに行く山梨までと距離はさほど変わらない。そんな事を伝えると

「でも、そうゆう問題じゃないんだよ」

少し憂れいた表情で、そう言ってドラゴンフルーツを1つくれた。

国境まで近いから外国なんてスグ行けるなんて考えは、単なる旅行者の考えであって
そこで暮らしているヤツにとっては遥かに遠い国の話。
とか言いつつも、ベトナムとカンボジアの国境をチャリで行き来していたババア共は
オレが想像していた以上に軽々と国境を越えていたし…まぁ人生色々ですな。

「それじゃ、オレと一緒に日本に行こうよ!うへへへ」
「オーケー。ただし飛行機のチケット代を払ってくれたらね」

日本に帰ったら精一杯働いて金を貯めようと思いながら、ドラゴンフルーツに齧りついた。
posted by thes at 23:17| Comment(0) | leisure | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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