2009年05月27日

WONDERWALL

「これはお前の分、お前のお父さんの分、お母さんの分、お兄さんの分、お姉さんの分…
 それからコレは折られたモップの分!」

一週間も滞在したゲストハウスをチェックアウトする際にホテルカードをどっさりくれた。
さて、今日の夕方には飛行機で日本に戻る。残された僅かな時間をどうするかだ。
なんて考えることはさらさらない。今日も今日とてスレイナの店に…出勤だ!


へいへい、おーきにまいどあり、しょーばいはんじょー、なにわのあきんどや。
珍しく午前中から客足が絶えない。しかも日本人のピチピチギャルが目立つ。
こらぁ、何の前兆だ?明日死ぬのかな。
ちょうど、そんなピチピチギャルたちがスレイナと値引き合戦をしていたので
「いつ来たんですか?」と唐突に話しかけてみると、鳩が豆しぼり…じゃなかった。
鳩が豆鉄砲喰らったような顔で見つめられ「日本語ウマいですね!」
どうやら同胞とは思っていないようだが、一応、御礼を言う。
「ドモアリガトゴザイマス。初めて言われました」
横ではスレイナ達が「日本人が日本人に日本語褒められとる」と、ころころ笑っていた。


ピチピチギャルたちに話を聞くと、どうやら彼女たちは花の女子大学生で、ボランティアの為に
シェムリアップに来られ、今日は終日フリーなのでみんなで土産物を買いこんでいるとのこと。
じつにおしい!せめて1日ズレていれば、あいまみえることが出来たかもしれない!
ともかく、今日はヤングガールがメニーメニーっつう情報だけでもベリーハッピーな事だ。
お礼を含めて、常食しているブドウのやうな果実を差し出すが
「チャレンジしたいけど、ホテルのレストラン以外では、変なものを食うなと言われていて…」
「サラダの生野菜で当たった娘もいるんで…」

生野菜を食うなんて野蛮な習慣がなくて本当に良かった。
そんな物騒なもの、これからも絶対に食うことはないだろう。てめぇら、暴力に懺悔しな!
つーか、オレが常食してたのって、人から見たらチャレンジして食うもんの部類なのね。


昼メシ時などたまに顔を出すオッサン。重役出勤とは、イイ身分だな。なんて悪態ついていたが
どうやらこの店のオーナーなのか、スレイナの親父なのか、とにかくイイ身分だった。ごめん。
出勤してくるなり、まずはオレを汚物を見るような目で一瞥くれて舌打ち。ちゃっ。
そりゃあそうだろう、テメーが死ぬ思いしてゲットした店に、いつの間にか薄気味悪くて
貧乏な外国人が居座り、なおかつ娘(なのか知らんが)を視姦してるんだぜ。
オレが親父の立場だったら、ダルマにして、ワニ園に投げ込むな。

そんなワケで、いつもは親父さんの視線がチラチラ痛くなると、
「海外旅行では命の次に大事」と言われるパスポートも店に置きっぱなしで
ポケットに1ドル札3枚ねじり込み、ひとまず地下のマックに避難!
だが、今日は違った。なにやらニコニコしている。見ろよこの晴れやかな顔。
こんな顔を見るのは中学時代、ヤクザのような体育教師、つうかヤクザそのもののフジワラが
「おい、あれ見ろ。富士山綺麗だなぁ」なんて喋りかけてきた時以来だ。
(後日、副校長へのカーストアップを命じられた直後だった事が発覚)

ヘイ、ミスター!と呼び止められ、ごにょごにょカンボジア語で何か仰っている。
「あんた、あの娘の何なのさ」とディスられてるかと思いきや、バーン!バーン!と、しきりに
口にしてるとこを推測するに、どうやら、メシを食ってけと仰っているようで、イイんすか?
まぁ、ぶっちゃけアンタが居ない時も食わせてもらってるけど。今日は親父公認だ。
嬉しいお誘いに早くも、お義父さん!と呼びそうになった。ついでに娘さんも食ってイイすかね?


DSCF0212.jpg

このメシ、おろそかには食わん!

いわゆる、これがカンボジアの家庭料理か。
白米、焼き魚、挽肉と豆の炒め物、生姜と唐辛子のスープ、あとキュウリみたいな謎のフルーツ。
食い過ぎてラモスになるかと思うぐらい、夢中でがっついていたが
「うわー、店の中でメシ食ってるぜ」なんつう観光客の声と視線にハッとする。

先日まで「路上は回転する劇場だ」ILL-Bのこの言葉にウンウンと頷きながら
そこら中で繰り広げられる非日常的風景をオレもダハハとオモロがったり、シェーと驚いたり
それこそ劇場に足を運ぶ観客のようであった。
しかし、ここで気付いた。オレも観客ではなく、イチ出演者になっている?



ろんぐろんぐたいむあごお。時は僅か2週間前。ベトナムはホーチミン。
声を掛けてくる露店のババァやバイタクにビビって、顔も見ずに「ノー!ノー!」と
首をぶんぶん振りながら、とにかく前だけ見て宿泊予定だったホテルを探し廻った道のり。
時間にして15分程だったが、緊張と疲労と暑さと荷物の重さで吐きそうになった。
オノレの弱さをビムビム感じさせてくれた、排気ガスまみれのスタートラインであった。

それが今じゃどうですか。
カンボジア人純度100%の土産物屋界隈に居座り、食事を共にしては
日本人観光客を寄せ集めているっつう凄まじい着地地点。
2週間前こんな風になるとは、お釈迦様でも分かるめぇ。まさに外道!

自分で言うのもあれだけど、なかなか逞しくなったんじゃね?
いや、逞しいってのは格好良過ぎだな。単純に図々しくなっただけか?


とにかく旅の終わりを掴んだ。


DSCF0208.jpg


posted by thes at 23:11| Comment(0) | leisure | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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